人間の寿命について考えてみたりした。
人間五十年、下天の内をくらぶれば、
夢まぼろしのごとくなり。
一度生を得て、滅せぬ者のあるべきか
(敦盛)
…と舞った織田信長は50歳で死んだりしてるのだが。
秀吉や家康はもうちょっと長生きしていた。
さて、じゃあ人間の本当の寿命って何歳だ?
世界記録では120歳くらいではある。
ちなみに非公式記録ではイランかどこかで150歳の女性が
いたという話もある。ただ、150歳を証明するものが無かったし
実際は120歳くらいだったのでは、とも言われている。
とすると120歳くらい、で決まりなのか?
脳の寿命からすると、140歳ぐらいってのが定説になりつつある。
つまりいくら頑張って医療技術を駆使しても、そのくらいが限界であるわけだ。
細胞の分裂回数、および脳細胞の必要量からすると限界ってのはいつか来るわけだ。
それを超えて生きたいという人がいるとしよう。
…手が無いわけではないぞ。
主問題は細胞な訳だ。
細胞が分裂しなくなり、老廃物が排出されなくなる。
だったら細胞を継ぎ足せばいい。
若いうちに自らの細胞を取得。幹細胞として保存。
この幹細胞を溜め込んでおいて、必要に応じてパーツを取り替える。
人工臓器やアルツハイマー治療の方法だな。
これで後はガンを抑制するため免疫細胞や胸腺を追加。
モノによったら機械のほうがいいかもしれないが。
これで細胞を継ぎ足せる限り不死は約束されたも同然。
同然だが…、そこまでして長生きしたいか?
100年くらいはいいけどさ、200年、300年…1000年くらい生きたら
かなり飽きるだろうか?
大体そこまでの価値がある生なのかそれは?
それで人類の進歩に貢献し、多くの人間が救われる生ならそれもよかろう。
そうじゃない、自分さえ良けりゃいいってんだったら止めてくれ。
そのコストで何人の人間が助かると思ってるんだ?
人口爆発でいずれ大量に人が死んで行くだろう。
そう遠い未来の話じゃない。
それなのにそこまでして生きようとする意味って何だ?
それに答えられない程度なら、まあ寿命で死んでください。
…恐ろしい想像だが、ものすごい借金をこさえて返済のために生かされて
働きつづけさせられるという話はあまりに嫌だな。
…借金返済まで後198年、あれから216年が経ったんだ。
俺はもう死んでもいい年なのに、1兆2000億円の借金の返済のため、
まだ生かされている。
既に半分は返した。
はっきり言って小国の国家予算に匹敵する。
だが、それももう限界だ、死にたい…と思っても監視がついていて
自殺なんて出来やしない。狂おうにも脳をいじられる。
俺は借金を返し終えたらどうなるんだろうか?
死ぬのか?狂うのか?
いずれにしろその時、俺は自由になれるんだろう。
…生きて行くってのは存外それと変わらないのかもしれない。